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ギリシャ北部 ピンドス山脈の花 1日目 025年4月25日(金) 成田 → イスタンブール(トルコ) ギリシャ北部の昔からの村が残る山岳地帯に、春の花を見に行きます。ギリシャは秋の花を見にきたことがあるので二度目です。植物ガイドは一度目と同じガードナーさんで、彼は優れたガイドなので、今回も大いに期待できます。
定員6人 今回の旅行は出発が成田空港、到着が羽田空港なので、つくば市から自家用車では行けません。自宅からスーツケースを持ってタクシーでつくば駅の前にあるバス停まで行き、成田空港行のバスに乗りました(写真下左)。しばらく利用していなかったら、路線が変わって、本数も減り、私の自宅の近くのバス停には停車せず、成田到着は集合時間の10分前でした。
昨年の2024年10月頃、日本橋トラベラーズクラブからのカタログにこの旅行を見つけ、すぐに申し込みました。ガードナーさんのツアーだと知っていたからです。花という特殊な旅行で、旅費が高いとくれば、最少人員の4人すら難しいだろうと、私は景気づけに、申し込み一等賞を狙いました。その効果か(そんなわけがない)、翌月の11月には催行予定になり、最終の参加者は定員6人よりも多い8人です。
添乗員の山野さん(仮名)を含めて女性6人、男性3人です。男性の一人は、花専門の旅行会社のネイチャリング事業部で二度ほど御一緒した方で、他のお客さんに「我々はネイチャリング事業部の残党なんですよ」と紹介したら、苦笑いしていました。 いきなり予定変更 今日は、ギリシャまでは直行便がないので、トルコのイスタンブールで乗り換えてギリシャのテッサロニキまで延べ約16時間ほどの長時間飛行です。と思っていたら、トルコからの飛行機の成田到着が遅れて、折り返しの出発も遅れるので、本日はイスタンブールまで行き、一泊するという。出発から出鼻をくじかれたものの、明日からの花の観察の予定には大きな変更はありません。 スーツケースはイスタンブールでは受け取れないので、宿泊に必要な最小限の荷物を手荷物に移し替えます。 トルコ航空(Turkish Airlines)のTK051便は、機体がBoeing 787-9で、10:35に成田を出発して、13時間10分飛行して、17:45にイスタンブール空港に到着予定です(写真下)。
私の座席は旅行会社を通して予約したとおりの32Kの窓側です(写真下左)。
飛行機は変更どおりに約2時間遅れで、曇り空の成田空港を離陸し(12:44)、九十九里浜あたりで西に向けて大きく方向転換しました(写真下右)。
私は窓側ですから、13時間の飛行で一番心配なのはトイレです。たいてい隣の二人のうち一人がトイレに立つので、その時行けばいいから、これまであまり困ったことはありません。ところが、今回の隣の二人は食事以外は完全爆睡で、私は11時間トイレに行きませんでした。これまでも10時間くらいの記録があったような気がしますが、今回更新されたことはあまり自慢にはならない。
ギリシャで群発地震 今年2025年2月初旬、ギリシャで1週間に1000回以上の群発地震が発生して、ギリシャ政府は2月6日に非常事態宣言を出し、1万人が避難しているというニュースが入って来ました。場所は下図のように、私たちが行く北部ではなく、エーゲ海のサントリーニ島で、プレートのぶつかり合う場所だというから、日本人にはお馴染みのナマズ君かと思ったら、話は簡単ではなさそうです。 「サントリーニ島で謎の群発地震、科学者困惑 極めて不可解」(ナショナル ジオグラフィック、2025.02.12) 専門家に不可解と困惑されたら、素人はどうにもならない。外務省のホームページに2月3日に「サントリーニ島周辺における地震への警戒」という警告が出た後、いったん収まったかと思ったら、2月24日にマグニチュード4.4の地震が起きて、再び警告が出ました。 ただ、地震は2月に騒がれただけだったので、私は忘れていました。
サントリーニ島などすっかり忘れていた出発の前日、トルコの地震のニュースが飛び込んできました。現地の4月23日昼頃、マグニチュード6.2の地震が発生したというのです(下地図)。私たちはイスタンブールで一泊してギリシャのテッサロニキに向かいますから、もろに「現場」です。幸い、あまり被害は出ていないらしい。
最初の機内食 離陸から一時間半ほどで食事が出ました(14:13)。たぶん遅い昼食です。
飛行機は朝鮮半島に入り(写真下上段、14:17)、そのまま横切ります(下段,14:42)。朝鮮半島は天気が良いのに、半島の北のほうは相変わらずご機嫌が悪いらしい。
中国に入りました(写真下、15:08)。こちらもご機嫌も景気もあまり良くないようです。
日中の夜間飛行と映画 まだ外は明るいのに、恒例の「夜間飛行」が始まりました(15:35、写真下)。室内の灯りを最小限にして、窓は一番暗いモードにする(写真下右)。こういう国際線の長距離飛行では良くやることで、今何時か、客の好みなど関係なしに、食事が終わったら、客にはさっさと寝てもらい、客室乗務員の仕事を減らすようになっています。たぶん、労働条件の一つになっているのでしょう。
暇つぶしは映画が一番なのに、トルコ航空は選択範囲が狭い。モニターは日本語表示ができるのに、例えば、写真下の2024年に公開された2本の映画では言語も字幕も日本語がありません。写真下右の「Wicked」では字幕を含めて13種類の言語が表示されているが、その中に日本語はありません。 この便は毎日イスタンブールと成田の往復で、利用客のかなり部分を日本人が占めているはずなのにこの有様です。写真下のように2024年の最新作には日本語がないのだから、日本人の乗客は少数だとみなされていることになります。
興味深いのは、写真下右の一番下には「ヒンディー語」とあることです。インドは2026年にGDPで日本を抜いて世界第4位になると予想されているように、インドは急成長して客数が増え、日本は経済の凋落と円安で客数が減って、最新映画の字幕から日本語が消えてヒンディー語が登場した。ただAI(人口知能)がこれだけ進んでいるのだから、字幕も吹替も安い経費でできるはずです。 この飛行機への個人的な評価は5段階の真ん中「C 普通。小さな不満がいくつかあるが、必要要件は最小限満たしている」とします。
中国上空でちょっとだけ青い窓を解除して外を見るが、雲で下は何も見えません(18:18、写真下左)。飛行時間から見ると、まだ半分くらいしか来ていない(写真下右)。こうなったら、日本語版が少ないとぼやいていないで、観て三分で忘れるような映画を探して、暇つぶしをするしかない。
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(Ghostbusters: Afterlife、2021年、米) 最初の『ゴーストバスターズ』(1984年)が大ヒットしてから4作目で、どうせ内容はハチャメチャなお笑い幽霊退治の話だとわかっているから、気軽に観られます。 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』( Alice Through the Looking Glass、2016年、米) これは『アリス・イン・ワンダーランド』(Alice in Wonderland、2010年、米)の続編で、2作とも原作を大きく逸脱した「大人のアリス」の物語です。このことは原作者のルイス・キャロルに失礼な話で、アリスは、実在したモデルもテニエルの挿絵も10歳前後の少女で、ルイス・キャロルはそこに強いこだわりを持っていました。アリスの新しい物語を作るなら、原作者に敬意を払い、彼のロリータ趣味を尊重するべきです。
写真上 ウィキペディアから転載 三分で筋を忘れてしまう映画を見終える頃には、飛行機は中国を横断して、中央アジアを通過して、間もなくカスピ海に入ります(写真下、22:28)。
AIを搭載した客室乗務員 カスピ海を横切り、イスタンブール到着まで2時間くらいになりました(写真下)。
到着の2時間前となれば出てくるのが食事です(23:51、写真下)。前回の食事が午後2時頃と遅めだったにしても、8時間以上も開けなくても、夕飯はもっと早目でも良いのではないかと考えますが、それは客の都合であって、客室乗務員の都合は別です。彼らは着陸前後にまとめて仕事をしますから、その2時間くらい前後に食事を出します。客の胃袋など関係ありません。 AI(人口知能)搭載のロボットが客室乗務員になってサービスしてほしい。彼らは労働時間など文句を言わないし、食事や飲み物をモニターに表示してあらかじめ客に選択させれば、時間もかからず、言葉の障害もありません。技術的にそれほど難しくなく、人件費を考えたら、AI客室乗務員はエコノミークラスに向いています。
着陸が近づくと、ようやく写真下左の青い窓が解除され、海の夕陽が現れました(4月26日01:18、写真下右)。長時間、青い窓の中にいて、窓の外が普通に見えるようになると、閉じ込められた部屋から出されたみたいで、ホッとする。
眼下に夕方のイスタンブールの街並が見えてきました(写真下)。ただし、イスタンブール空港はイスタンブール市街からかなり離れています。
イスタンブール到着 約13時間の飛行を終えて、まだ明るさの残るイスタンブール空港(Istanbul Airport)に着陸(トルコ時間19:43、日本時間4月26日1:43)。ここで時計を6時間戻して、今は夜の8時前です。
イスタンブール空港は2019年に作られたばかりの新しい空港で、どんな空港なのか、ちょっと楽しみでした(写真下)。ただ、特別に工夫した印象はなく、広い空港によくあることで、ひたすら歩かされる。
明日の飛行機の手続きに添乗員の山野さん(仮名)が1時間近くも交渉していました。ビジネス席の人たちの席の確保に苦労していたようです。添乗員を職業として、英語も堪能な山野さんが一時間もかかったということは、個人旅行だったらどうなっていたのだろう。
待っている間、通路にあった芸術作品を観ました。写真下左では作品の解説を女の子が熱心に読んでいるように、写真下右のビニールに包まれた人間のような像が何を意味するのかわからない。解説を読まないと意味がわからない芸術作品は読まないことにしています。
長い名前のホテルに短時間宿泊 トルコ航空が準備したバスに乗って、ホテルに向かいます(22:18、写真下)。
時間が遅いせいか、通りは灯りのついている店も少なく、あまり大きな街ではなさそうです(写真下)。少なくとも、4月23日の地震による被害らしい風景はありません。
20分ほど走って街中にあるホテルに到着(22:36)。このホテルはネットで見るとGrand Hamit Hotelという短い名前から、Grand Hamit Airport Hotel という中くらいの名前と、Grand Hamit By Karadayı
Airport Hotelという長い名前まである四つ星ホテルです。 明朝の4時にここを出ますから、名前が長いわりには滞在は短い。
写真下が私の部屋で、設備や衛生の面で何の問題もありませんから、評価は5段階の4.0で満足とします。
スーツケースは持ってきていませんから、カメラの充電などの作業もありません。とにかく、シャワーを浴びて早く寝たい。日本時間では朝の5時頃ですから、私は起きてから24時間近くたっています。
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