表紙 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9  1011

 

ペルー・アンデス めおとプヤの最期

9日目 2025515()

メキシコシティ

 

 今日は、元々の旅行日程にはなく、飛行機の都合で、昨夜はメキシコシティに一泊することになりました。ほぼ丸一日空いていて、自由行動なので、午前中は個人的に市場を見に行き、午後は添乗員の案内で近くの植物園のある公園を訪ねます。夜、メキシコシティからモンテレイ経由の成田行の飛行機に乗り、帰国します。

 

map5015a

 

 

自由行動は認めていない?

 6時すぎに起床して、窓を開けると晴れています(写真下)

 

P1030447 P1030448

 

 7時から朝食なのでレストランに行くと、日本人しかいません(写真下)。それも、私たちのグループのお客さんはもう一人だけです。そのお客さんは今日は一人で有名なティオテワカンの遺跡を見にいくという。

 食事をしているのが日本から来た団体旅行らしいので一人に声をかけると、CT旅行社の添乗員で、今日はメキシコ観光の初日だという。私が他のお客さんをさして「私たちは今日は自由行動なので、彼はこれから一人でティオテワカンに行きます」と言うと、彼女はギョッとした顔で「一人で自由行動??そんなことしたら、私は会社に怒られます」と言う。

 

P1030451b P1030452

 

 彼女の自由行動に対する反応を見て、思い出したのが、今回と同じ西遊旅行で行った昨年のインド旅行です。私が丸一日の自由行動を申し出ると「西遊旅行では自由行動は認めていないので、オプショナル・ツアーを作るが、どうか」という返事で、私はオプショナル・ツアーに同意しました。

 自由行動は認めていないはずの西遊旅行なのに、今日は朝から丸一日、客全員が自由行動??

 

通りの露店

 8時半にホテルを出て、私はもう一人のお客さんと、ホテルから南に2kmほどのメディリン市場(Mercado de Medellin)を見に行きました。往復4kmなら、歩いて行けます。

 

 

 メキシコに丸一日滞在するのだから、日本にいた時、『地球の歩き方』で検討して市場に行くことにしました。昨夜、空港に着いた時、現地ガイドに、私は候補の市場の名前をあげて、ホテルでハイヤーを雇って行きたいと相談しました。メキシコでは街中でタクシーを拾うのは危険だと書いてあったからです。

 しかし、ホテルでハイヤーを雇っても、言葉が通じないから、やめたほうが良いという助言でした。結局、ホテルから歩いて行ける距離にある市場を紹介してくれたので、同じように市場に行きたいという中嶋さん(仮名)と行くことにしました(8:32)

 街は通勤時間帯なので、大型バスの路線パスがたくさん走っています(写真下)

 

P5151382 P5151399

 

 写真下左の赤い台で売られているのは” Chilango”というメキシコの娯楽雑誌です。私たちは主要幹線道路ではない道を歩いているので、歩道には露店があって、どの店もそれなりに客が集まっていますから、時間的には朝食でしょう(写真下右)

 

P5151387 P5151402b-1

 

 写真下左で焼いている丸いのがメキシコの主食ともいえるトルティーヤです。

 

P5150146 P5151390

 

 道端で売られている食べ物は、身体に良さそうに見えないし、そんなにおいしいわけでもないのに、どうしてうまそうに見えるのか、どうして埃のある屋外で行儀悪く買い食いするのが楽しいのか、私は自分でも良くわからない。

 

P5151395b P5151391b

 

道端の花

 街路樹のジャガランダが少し咲いていて、エクアドルで野生のジャガランダを見ましたが、それは森の中でしたから、こんなに近くで見たのはたぶん初めてです。

 

P5151410b P5151417b

 

 写真下はピンク色の花を咲かせています(写真下)。生成AIはサルスベリだという。4階建ての建物と同じくらいの高さですから、15mくらいあります。中国原産のサルスベリは私の自宅にもあって、花が減る夏の暑い時期に花を咲かせるので重宝しています。日本のサルスベリもこれほど巨木化するのだろうかと心配になり、生成AIに質問すると、このサルスベリは東南アジア原産のオオバナサルスベリではないかというので、少し安心しました。サルスベリは根が強いので、除去が難しい。

 

P5151409b DSC_2764b

 

 写真下は道端に植えられた花で、アサガオに似ているが、蔓ではなく、しっかりとした茎があります。生成AIによればコダチアサガオで、ブラジルなどの熱帯アメリカが原産で樹木化したアサガオです。

 

P5151422-1 P5151427-1

 

メキシコの市場は見たこともない食材ばかり

 メディリン市場(Mercado de Medellín)に到着(9:06)。ここは公設の市場で、食べ物や衣料品、日用雑貨はもちろんのこと、ペットまで売っています。

 私はその国を知るのには市場とトイレと音楽だと思っています。御立派な建物なんか意味がなく、一般市民の衣食住こそが重要で、それを露骨に表すのが市場です。

 

P5151432 P5151463

 

 野菜や果物は見慣れない物が多い。

 写真下左の上段の果物にLichisとあるから、ライチのことでしょう。下にあるCiruelaという黄色い果物はメキシカンプラムと呼ばれ、生成AIによれば「熟すとマンゴーやカシューナッツのような風味を持つ、甘酸っぱい果汁たっぷりの果肉」です。

 

P5150044b P5151458

 

 写真下左のマメはタマリンド(Tamarindo)というメキシコでは一般的なマメで、お菓子や飲み物に使います。写真下右の袋詰めの豆を見ると、ずいぶん種類があるのがわかります。

 

P5150015b P5151520

 

 写真下左は見るからに唐辛子で、しかも真っ黒で辛っそう。生成AIチレ・アンチョ(Chile Ancho)チレ・パシージャ(Chile Pasilla)だろうとのことでしたが、辛いのが苦手な私はどちらでもいい。

 

P5150017b P5150016

 

 写真下を見た時、植物の花を乾燥させた食材かと思ったら、中嶋さんから、トウモロコシの穂に寄生するキノコだと教えられました。ウイトラコチェ(Huitlacoche)というキノコの乾燥品です。中嶋さんは植物園の職員ですから、無料で専門家を同行しているようなものです。今回の旅行のお客さんには植物の専門家が何人かいて、私は大助かりです。

 

P5151435 P5151529b

 

 写真下左の楕円形の食材はウチワサボテンのトゲを取った葉でノパル(nopal)です。実際は葉ではなく、茎節(けいせつ)というらしい。写真下右はウチワサボテンのトゥナ(Tuna)という果実です。

 

P5151431b P5151468b

 

 写真下左は、メキシコではクルクマ(cúrcuma)と呼ばれるウコンです。

 写真下右の、毛が生えた野菜はチャヨテ(Chayote)というウリの仲間です。メキシコなど中米が原産で、アステカ時代から食べられている伝統食です。

 

P5151442b P5151472b

 

 写真下はトマティーヨ(Tomatillo)というホウズキの仲間です。左はまだホウズキらしい姿だが、右はゴルフボールくらいの大きさのトマティーヨで、市場内を見ると、こちらのほうが一般的です。

 

P5151515 P5151440b

 

 写真下左は、メキシコではhigos frescos(生のイチジク)と呼ばれる黒いイチジクです。見た目どおりで、味も濃厚らしい。

 5月のメキシコにリンゴがあります(写真下右)。生成AIによれば、メキシコでもリンゴは栽培されているそうです。5月という時期や、赤いリンゴにラベルのようなものが貼ってありますから、たぶん、南半球からの輸入でしょう。

 

P5151517b P5151526b

 

 写真下左はジャガイモかと思ったが、それにしては表面がきれいです。ジャガイモとは別種のマメ科のヒカマ(Jícama)と呼ばれる根菜で、生成AIによれば「メキシコではおやつ感覚で食べられることが多く、皮をむいて棒状に切ったものにライム果汁やチリパウダーをかけて屋台で売られています」。

 写真下右は大きさは10cm程度と小さいズッキーニの仲間で、カラバシータ(Calabacita)と呼ばれています。

 

P5151459 P5151474b

 

 写真下左のタマリロ(Tamarillo)はアンデス原産の野菜で、ナス科なので見た目も風味もトマトに近い。

 写真下右はパッションフルーツで、メキシコではマラクーヤ(Maracuyá)と呼ばれています。今回見たペルーの野生のパッションフルーツは黒だったので、これは黄色で、しかも熟すとシワが寄っているとは意外です。日本なら、しなびたとみなされてしまう。

 

P5151539b P5151533

 

 写真下左は、表面が白っぽいがウロコ状ですから、チェリモヤ(Cherimoya)でしょう。

 写真下右を見た時、サクランボかと思いました。まったく別で、南米原産のジャボチカバ(Jabuticaba)と呼ばれる果実で、ネット上の写真では、この実が木の幹に直接生えています。生食されるものの、日持ちしないのでジャムやジュースなどに加工されるというから、売っているのは珍しいかもしれません。

 

P5151531b P5151508b

 

 写真下のケースに飾られているのはマカンボ(mocambo、モカンボ、ニカンボ)というカカオの仲間で、ペルーなど南米で栽培されています。果肉を食べるだけでなく、種はチョコレートの材料になり、写真下右ではマカンボで作った黒()と白(手前)のチョコレートが並べられています。大きさは10cmくらいでしょうか。もちろん、私は初対面で、こんな木の実があることも知りませんでした。

 

P5150039b P5150037b-1

 

 写真下左の芋はキャッサバでこちらではユカ(yucca)と呼ばれ、右はタロイモでこちらではマランガ(Malanga)と呼ばれています。

 

P5151536 P5151513b

 

 写真下左はスベリヒユで、世界中に広がっており、メキシコではベルドラガ(Verdolaga)と呼ばれています。日本のスベリヒユ(Portulaca oleracea)は茎が茶色で、種類が違うのかと生成AIに質問すると、環境の違いによって姿が違うだけで、同じ種類だという。

 日本ではスベリヒユは農家の嫌われ物だが、山形では「ひょう」という名前で食用にします。夏の暑い時期に茹でて食べるとおいしい。主観だけで言うなら、スベリヒユは身体にとても良い作用があります。

 写真下右は「バターナッツかぼちゃ」というカボチャの一種で、メキシコではタマラヨテ(Tamalayote)など、いくつの呼び名があります。ナッツのような風味とバターのようななめらかな食感があるそうです。

 

P5151528b P5150042b

 

 写真下左はチャプリネス(chapulines)というイナゴやバッタです。生成AIによれば「メキシコ南部のオアハカ州が産地のバッタで、塩、ニンニク、唐辛子などで味付けして炒め揚げたものがスナック感覚で売られています」。すぐそばにあった写真下右も何か昆虫かと期待したら、残念ながら虫ではなく、ハイビスカスのガクを乾燥させたフロール・デ・ハマイカ(flor de jamaica)で、料理や飲み物に使います。

 

P5151545b-1 P5151544b-1

 

 写真下では、色違いの羊羹のような物が4種類5個あります。グアバという果物などを甘酸っぱい羊羹にしたアテ(Ate)です。しかし、下のラベルのChorizo Pamplonaとは肉を詰めたソーセージのことで、たぶん、ラベルを外し忘れた。

 

P5151547

 

 写真下はメキシコ人の主食であるトルティーヤ(Tortilla)の生地(マサ)で、これを焼いて食べます。トウモロコシから作ったままのマサが黄土色で、サボテンの葉やトウガラシなどを加えると緑や茶色になります。

 

P5151560c P5151560e

 

 市場に来る途中の店でトルティーヤを焼いて売っていました(写真下)2030枚くらい入っていそうな袋が店先に並べられています。

 

P5151405-1b

 

 写真下左のチーズは、ボール状のオアハカチーズ(Queso Oaxaca)と、木のワッパに入ったのと二種類あります。意外だったのが、市場ではチーズを売っている店はそれほど多くありませんでした。熱帯ですから、チーズは保存が難しいのかもしれません。

 

P5151560d P5151550

 

 写真下左はQueso costeño(ケソ・コステーニョ)と表示されていて、翻訳機にかけると「コスティーニョのチーズ」です。ウィキペディアによれば、コロンビアのカリブ海沿岸で作られる塩分の濃いチーズとあります。生成AIによれば、輸入したのではなく、地元で作ったのだろうとのことでした。

 

P5150045 P5150026b-1

 

 肉売り場では冷蔵されている肉もあるが、半分は出したままです(写真下)。写真下右など、下の冷蔵庫は空なのだから、上にぶら下がっている肉だけでも入れればいいのにと日本人は思ってしまう。

 

P5150060b P5151452

 

 写真下は、なんだ、これ?生成AIによれば、豚の皮や豚バラ肉を揚げたチチャロン(Chicharrón)と呼ばれる伝統的な料理で、網目のように見えるのは、皮や肉の繊維が揚げられて膨張したからだという。それだけでなく、サイコロ状態になっていますから、硬い皮に縦横に切れ目を入れて、熱が通りやすく、後で分けるのが簡単になるようにしたのでしょう。

 

P5151446 P5150063

 

 生肉の他に、ここで加工しながら売っていて、どれも辛そう(写真下)

 

P5151448 P5150061

 

 黒い犬クンはおとなしく座って肉を待っていたのに(写真下左)「臭いだけかがせて、肉をくれないなんて、ひどすぎる!君たち人間には愛がないのか」と断固抗議しています(写真下右)。そうだ!犬クン、君の主張は正しい。

 

P5151476-1 P5151478b-1

 

 店内はきれいに清掃され、整理整頓されています。しかし、写真下のような奴が一匹だけ通路に寝ていました。日本のそれとは姿が違うのに一目見てアイツだとわかり、見ただけで嫌悪感がこみあげてくるのが興味深い。

 

P5150051

 

 飲食店も併設されていて、まだ午前中ですから、お客さんは豚君だけです(写真下)

 

P5151523b P5150057b

 

 雑貨売り場も日常品からお土産まで色々あります。写真下左は植木鉢です。写真下右の模様の付いた木の棒は何の調理器具だろうと見ていると、店の人が使い方を実践してくれました。たぶん泡立て器です。

 

P5151480b P5150069

P5151484 P5151557

 

 ワラスの市場と大きく違うのが写真下で、こちらは切り花がたくさん売られていますから、部屋の中に花を飾る習慣があるのがわかります。鉢植えもあって、熱帯らしく観葉植物が多い。

 

P5151501b P5151503

P5151498 P5151497

 

 市場は広く、日本ではまず見られないような品物が多く、食べ物など、ここに滞在するなら、ちょっと買って、試食してみたいものがたくさんあります。一日見ていても飽きないような市場で、ここに来たのは正解でした。

 

ぼんやりとコーヒーを飲む

 来た道を引き返し、ホテルに戻ります。大通りからの脇道は大きな並木道があり、車が少なく、広い歩道に机や椅子を出してカフェが営業しています(写真下)

 

P5150119 P5150120b

 

 店ではパイのような物を売っています(写真下右)。今日の昼食と夕食は客が各人でとることになっていますから、これはちょうど良い(755円、95.00ペソ)

 

P5150122 P5150123

 

 中は空いていて、外のほうがお客さんには人気があるようです(写真下)。店は外も中もとても良い雰囲気です。通りには高い樹木があって広いわりには両側に路上駐車しているくらいで、車はほとんど通らないから、騒音もない。店の作りも落ち着いた雰囲気で、まだ午前中ですから、お客さんは中と外に少しいるだけで、とても静かです。

 

P5150126 P5150129b

 

 中嶋さんの提案で、私たちもコーヒーで一休みすることにしました(3 3 3円、42ペソ)。のんびりと車や人をながめて、することもなく、ぼんやりとコーヒーを飲む。私は前から、旅行とはこうあるべきだと確信していた!ところが、根が貧乏性で、時間を惜しんで効率よく歩き回り、何か見落としがないだろうか、周囲に危険はないだろうかと、いつも緊張している。

 旅行中こんなにノンビリした気分になったのは初めてかもしれません。ここでゆっくりしたのは特別だったことを、午後、同じようなカフェでコーヒーを飲んで比べた時、強く感じました。

 

P5150134 P5150131b

 

メキシコはドクロだらけ

 コーヒーでゆっくりと休んだので、すっかり元気になりました。11時頃にホテル近くまで来て、午後からの植物園は13:00ホテル集合ですから、まだ2時間あります。こういう時のために残しておいたのが、ホテルから道路をはさんで向かい側にあるインスルヘンテス市場(Mercado insurgentes)です(地図下)

 では、市場のハシゴです。

 

 

 インスルヘンテス市場の南口には恐ろしい怪獣の門番がいて、私たちに今にも襲いかかろうと牙をむいています(写真下)。私は「君の黄色い頭とズボンの縞模様のチグハグぶりがとても素敵だよ」と誉めたので無事通過。皆さんも彼と会った時は無視せずに「君はとっても恐いよ」と誉めてあげると市場に入れてくれます。

 

P5150275b P5150276b

 

 ホテルの近くは海外からの旅行客が多いので、インスルヘンテス市場は工芸品などが売られ、また値段もそれほど安くないと言われています。メキシコの特産品でもある銀製品が多いと聞いていたら、入った所にさっそく銀の装飾品を売る店がありました。

 歯並びの良い銀のドクロ(髑髏)がこちらをにらんでいる(写真下左)。写真右のドクロなど、視力検査用の眼鏡をかけているらしい。

 

P5150156b P5150152b-1

 

 他の店もドクロが目につき、土産物屋ならたいていドクロがあります。この市場の建物の外壁に描かれたのもドクロで、女性がドクロの化粧をしている(写真下左)。写真下右の人形もドクロの化粧をした顔です。

 

P5150236 P5150252b

 

 先に行ったメディリン市場でもドクロの飾り物がたくさんありました(写真下)。写真下右など、骸骨の「見ざる聞かざる言わざる」です。

 

P5150002b-1 P5150047-1b

 

 メキシコの空港の免税店でも、大きなドクロが店番をしていました(写真下)

 

P1020597 P1030460

 

 ドクロは死者や死後の世界を象徴しているのだろうが、どうしてメキシコ人はこうもドクロ好きなのか。

 ディズニー映画の『リメンバー・ミー』(Coco、米、2017)はメキシコを舞台にしたアニメで、その映画のポスターでは、ギターの右側の3人は死者なので、ドクロというか骸骨です(下図)

 

Coco2017De

上図 Wikipediaから転載

 

 ディズニーらしい丁寧な作りで、メキシコではアニメ映画としては国内最高の興行収益をあげた作品です。私はファンタジーは好きだが、この映画は好みに合いません。この映画に限らず、ディズニー映画は甘すぎるお菓子みたいで苦手という意味です・・・小学生の頃は好きだったんですけどねえ。

 

P5150164b P5150186b

 

 この映画のようにメキシコと言えばドクロが出てくるくらい一般的で、直接的な元となっている行事に、1112日の「死者の日」という世界遺産にもなっているお祭りがあります。死者との再会ですから、日本でいえばお盆のようなものと連想しがちですが、たぶん違います。

 ウィキペディアなどの解説では、メキシコの先住民であるアステカなどでは先祖のドクロを身近に飾る習慣があり、アステカの神殿には聖域に頭蓋骨を置く場所があったというのだから、人間の首をそこに並べたのでしょう。彼らは生きた人間の心臓を石器で取り出して、生贄にするという野蛮な習慣があった民族です。

 

P5150191b P5150240b

 

 ただ、これだけではドクロを飾る習慣は近代化するにつれて廃れるのは、他の首狩りなどの習慣のあった地域を見ればわかります。ところが、メキシコではドクロが世界遺産にまでなりました。

 この点について、ナショナルジオグラフィックの、死者の日の解説に興味深い情報がありました。歴史的な背景はあるにしても、今日のようなお祭り騒ぎにまでなったのは、20世紀前半の二人の芸術家が、骸骨にきれいな服を着せて、うわべを着飾ることや富裕層を皮肉ったことが庶民に受けたからです。

 

P5150262b P5150265b

 

 死者の日とは、昔の習俗の継承のように見せかけながら、現実社会の差別や格差へのうっぷん晴らしをする一面を持っているから盛り上がった。メキシコが経済的に発展するにつれて、うっぷん晴らしの部分は弱まり、ハロウィンのように、お祭り的な要素だけが残ったようです。

 

P5150285b P5150299b

 

ドクロのお仲間に?

 怪獣と髑髏の大歓迎を受けて、市場の奥に進みます。土産物用に色鮮やかな民芸品が並んでいて、お土産にはドクロよりも喜ばれるかもしれない(写真下)

 

P5150228b-1 P5150243b

P5150246b P5150269b

 

 装飾品では、銀細工の他に琥珀が目立ちます(写真下)。メキシコの琥珀は、今は絶滅したマメ科の植物(Hymenaea protera)の樹脂からできたと、植物名までわかっているのがすごい。この国では植物の遺骸は宝石として珍重され、人間の遺骨も活躍している。

 

P5150222b P5150198b

 

 建物の中に縦横の通路が作られ、店が並ぶ作りで、店の配置図がないので、どのような建物なのか正確にはわかりません。私が建物内の配置が気になるのは、ここで火災が起きて、灯りも消えたら、自分もまたドクロになってしまうからです。これだけ通路が狭く、可燃物が山積みされているのに、見た限りでは、火災警報装置も、避難退路の案内も、消火器もない(写真下)

 

P5150158 P5150194

 

 午前中に行ったメディリン市場と違い、こちらには野菜や肉類など生鮮食品がほとんどない中で、食堂が数軒あります(写真下)。写真下の厨房ではガスを用いています。

 

P5150169b P5150170b

 

 下の地図はMapcartaから転用したもので、赤く囲ったのが、たぶんこの市場の建物と思われる部分です。客が使える出入口は4カ所で、なんとか逃げられそうだが、問題は、この市場が四方八方を建物で囲まれていることです。周囲の建物から火災が発生した場合、取り囲まれているから、かなり怖い。

 私は、南門を守る怪獣クンに「君が頼りだぞ」と、帰る時、告げました。

 

 

午後のオプショナル・ツアー・・・

 ホテルに戻ると、午後の植物園に行くオプショナル・ツアーにお客さんがすでに集まっていたので、間もなく出発しました(12:55)。植物園は公園の中にあり、ホテルから歩いて30分ほどです。

 

 

 独立記念塔(写真下左)から左に曲がると、歩道も広くとってある幹線道路で、交通量も多いが、治安は良さそうです。

 

DSC_2751-1b DSC_2785

 

 歩道では露店がいくつも出ていて、オシャレな帽子が道端に並んでいる(写真下左)。さらに行くと広場に出店があり、にぎわっていて面白そう。

 

DSC_2748 DSC_2781-1b

 

 チャプルテペク公園(Bosque de Chapultepec)に到着(13:20、写真下左)。入口には大きなキノコが生えていて、緑色のキノコを食べたらしく、顔が緑色になった宇宙人もいます(写真下右)

 

DSC_2798 DSC_2795b

 

 公園内の大通りに店が並んでいて、祭りのようににぎわっています(写真下)。綿飴はメキシコでも祭りの定番らしい。

 

DSC_2825-1 DSC_3027

DSC_3028b DSC_3037b

 

 写真下は顔に京劇のように化粧して変身している最中です。

 

DSC_2818b DSC_3042b

 

 あれはなんだ?頭に色とりどりの猿が乗っています(写真下)

 

DSC_3066b DSC_3067b

 

 尻尾が長いから、メキシコから南米にかけているクモザルの仲間でしょう。人間の頭の上に乗るなんて、図々しい猿なのに、小さいから、皆さん、乗られても気が付かないらしい。

 

DSC_3061b DSC_3064b DSC_3065b-1

 

 あのまま猿にオシッコやウンチをされたらたまらないでしょう。注意してあげたいが、私はスペイン語を知らないし、それに・・・オレの頭にもあのピンクの猿を乗せたらどうだろう。今日は帰国日で、頭にピンクの猿を乗せたままでは飛行機に乗せてくれないだろうから、なんとか誘惑に勝とう。待てよ、ピンクがダメでも、赤い猿なら気づかれないかもしれない。

 

DSC_3055b-1 DSC_3058b DSC_3060b-1

 

植物を植えた公園

 クモザルから頭に憑りつかれて、何しに来たか忘れるところでした。橋を渡り、出店でにぎわう大通りから北側にある植物園に入ります(写真下)。ボスケ・デ・チャプルテペク植物園(Jardín Botánico del Bosque de Chapultepec)と名前だけは長い。

 

DSC_3012 DSC_2987

 

 暑いので、水辺の植物に目が行きます。写真下左はピンクと黄色いスイレンで、掛け合わせて作ったらしいが、丸い説明書きは日焼けして読めないし、近くの看板を訳しても意味不明。黄色いスイレンは学名にメキシコが入っているように、アメリカ南部からメキシコなどにかけて分布します。

 写真下右では屋外でパピルスが育つなど、ここは熱帯だとわかります。看板によればインドから移植されたらしい。パピルスの原産地はアフリカです。

 

DSC_2876b DSC_2855

写真上 Nymphaea mexicana(黄色いスイレン)    写真上 Cyperus papyrus

 

 池の中にカメがいます(写真下左)。どうせ日本でお馴染みのミシシッピアカミミガメでしょう。写真下右はスギナのようなパロット・フェザーです。幾何学的な葉が美しいが、切られた茎からも増えることで駆除が難しく、日本でも侵略的外来種とみなされています。コイツは世界中どこでも見かけ、霞ヶ浦の常連です。南米原産ですから、メキシコでも外来種です。

 

DSC_3001b DSC_2938b

写真上 Trachemys scripta elegans      写真上 Myriophyllum aquaticum

 

 写真下はアヤメの従妹で、南アフリカ原産の外来種で、丈夫らしく、街中の歩道にも植えてありました。

 

DSC_3018 DSC_2874

写真上 Dietes bicolor

 

 池の近くのアヤメが満開・・・でも、私の畑のアヤメとなんか印象が違う(写真下左)。写真下左がここに咲いている花、右はウィキペディアに載っているアヤメです。綾目模様が、ここの花は内側の花弁に付き、アヤメは外側の花弁に付いています。良く似ているが、姉妹ではなく従妹で、原産地はブラジルですから、これも外来種です。

 

DSC_2964 Iris_sanguinea

写真上 Neomarica caerulea        写真上 Iris sanguinea

 

 真っ黒な鳥が池の中の生き物を狙っています(写真下左)。アメリカから中部アメリカに分布しますから、ここは地元で、見てのとおり、印象は小さいカラスです。

 

DSC_2949p DSC_2936

写真上 Quiscalus mexicanus

 

 リスが歩道近くまで走っています(写真下左)。ウィキペディアによれば、メキシコハイイロリスという名前でありながら、実は1938年に連れてこられた外来種だという。

 写真下右は、トカゲにしては変なので、生成AIに質問すると、東南アジア原産のヤモリではないかという。つまり、この公園の動植物は外来種だらけです。

 

DSC_3087b-1 DSC_3017b-1-2

写真上 Sciurus aureogaster

 

 温室があります(写真下)。暑い中、温室に入るのは辛い。メキシコ独自のランなどを期待したが、それらしい表示はありません。

 

DSC_2902 DSC_2906

DSC_2914 DSC_2894b

 

 この植物園の一番の利用方法が写真下で、暑い中、木陰で昼寝する。

 

DSC_2991-1 DSC_2989-1

 

 この植物園の印象を一言でいうなら、いろいろな植物を植えた「公園」です。このオプショナル・ツアーは無料だから文句の言いようもないが、この植物園は旅行中にわざわざ半日かけて来る価値はありません。

 

DSC_2970 DSC_2980

 

午前中のカフェ

 2時間ほどで植物園の散策を終えてしまい、時間が余っているので、日本人が経営するカフェで一休みすることになりました(15:16)。皆さんで外のテーブルに座ります(写真下右)

 

DSC_3096b-1 DSC_3095b-1

 

 20分ほどここにいて、私は午前中に訪れたカフェの良さを改めて実感しました。ここが悪いという意味ではありません。ここは午前中のカフェに比べて落ち着かない。店は狭く、自転車が置いてあるなど(写真上左)、雑然としていて、表通りの雰囲気が違うことと、午前中は二人だけで静かに飲んでいたからでしょう。

 

DSC_3101-1 DSC_3100-1

 

 都心だというのに、店前の電線は写真下の有様で、私の大嫌いな空中結線ですから、落ち着かない。ここと比較するまで気が付かなかっただけで、午前中はコーヒーで休憩したからリラックスできたのだろうと単純に考えていましたが、環境などすごく良く条件が整っていたのだと気が付いて、誘ってくれた中嶋さんに改めて感謝です。

 人生の中でも、後で振り返ると、その時感じていたよりも、ずっとすごいことだったと実感することがいくつかあります。たいてい通りすぎてから、あるいは失ってから気が付く。

 

DSC_3098 DSC_3099

 

路上商売

 夕方で道路は所々で渋滞して、これをうまく利用して商売をする人たち(ベンダー)がいます(写真下右)

 

DSC_3142b DSC_3137b

 

 写真下の二人は売っている商品は違うのに「2×10」とあって、生成AIによれば、2つで10ペソという意味だそうです。写真下左では、BUBU LUBUというアイスキャンディー(FRIOS)を売っています。

 

DSC_3145b-1 DSC_3147b-1

 

 わからなかったのが写真下で、顔にピエロのような化粧をしています。彼が首からぶら下げている物はいったい何なのだろう(写真下左)。生成AIによれば、彼は大道芸をする人で、首から下げているのはお金を入れてもらう箱ではないかとのことでした。そうではなく、箱は彼の芸と関係しているのではないか。こっちに来てくれないかと期待したが、車は動き出し通過しました。

 

DSC_3132b-1 DSC_3135b

 

 少し渋滞があったものの、間もなく空港に到着し、7時すぎには手続きも完了して、また暇になりました。

 

P1030455 P1030456

 

入れ墨のジャガー

 飛行機の出発予定の3時間以上も前に空港に着きましたから、また時間を持て余す。幸い、ホールには“Somos Guardianes”という芸術の展示会があるので、時間がつぶせそうです(写真下)

 

DSC_3214-1

 

 展示会場の入口にはジャガーの顔をした大きな像があって、恐そう(写真上下)。もっとも、右側の像の隣には消火用のホースがありますから、火災の時には頼りになりそうです(写真下右)。どこかで見たことある光景だと思ったら、運慶や快慶による東大寺の金剛力士像と発想が似ています。

 

DSC_3206-1b DSC_3210-1b

 

 最大の特徴は体中にメキシコらしい入れ墨がしてあることです。いったいどうやって模様を入れたのか、触るわけにはいかず、顔を近づけるが良くわかりません。印刷された紙や布を貼りつけるのは曲線を出すのが難しいから、手描き?!

 なんとも躍動感のある作品です。ただ、自分の部屋には飾りたくありません。夜中に疲れて帰ってきて部屋の灯りをつけた時、いきなり入れ墨ジャガーにじゃれつかれても、遊んでやる体力が残っていない。

 作者はCésar Menchacaというメキシコの芸術家で、ネットで見ると20242月頃からこの作品の展示会があったようです。

 

DSC_3175-1 DSC_3176-1

 

サービス精神

 今日一日は旅行の予定外でオマケのようなものですから、旅行会社側に観光などの義務はありません。しかし、せっかく丸一日浮いたのなら、丸一日のオプショナル・ツアーなどを作り有効活用ができなかったのか。

 日本にいた時にオプショナル・ツアーを提案したのですが、その答えが今日の午後からの植物園見学でした。しかし、時間を見ればわかるように、午前中は何もせず、往復1時間もただ歩いて植物園に行き、植物園と露店を見た時間を合わせても2時間もかからなかったし、植物園だけなら1時間ほどでした。

 

DSC_3217-1b DSC_3177-1

 

 ホテルからの出発が夕方6時なので、植物園だけでは大幅に時間が余ってしまい、カフェに寄ったが、それでも時間があまり、私は何人かのお客さんを誘って、昼間行ったインスルヘンテス市場に逆戻りして時間をつぶしました。

 一日あれば、有名な遺跡のティオテワカンなどの観光地を往復することは時間的に十分に可能で、実際、お客さんの一人がタクシーとバスを乗り継いで行けました。ティオテワカンの観光に昼食と夕食を加えたオプショナル・ツアーを作れば、大半のお客さんは参加し、ペルーに行ってメキシコ観光まで付いたと、大喜びし、西遊旅行の株も上がったでしょう。

 

DSC_3190-1 DSC_3194-1

 

 昨日のリマでも今日のメキシコでも時間を持て余しました。お金を払う客から見ると、こういう「スカスカの旅行」はもったいない。サービス精神に欠けた旅行企画という印象です。

 

DSC_3219-1

 

ズボンのポケットティッシュ

 出国の検査はけっこう厳しい(写真下)。普通は一度身体検査をすれば終わりなのに、飛行機に乗る前にまた検査がありました。話によれば、日本がメキシコ行きの飛行機に対して検査をするので、その対抗措置らしい・・・出発の時、成田空港でそんなのあったかな?

 私はズボンにポケットティッシュが入ったままだったとして、検査で不合格。それを出して、もう一度検査のやり直しをさせられました(21:10)。こういう時は「飛行機が落ちるよりも良い」と呪文を唱える。

 

P1030463

 

 飛行機はアエロメヒコ航空AMX058便で、メキシコシティを515日の22:15に離陸し、1時間40分飛行して、メキシコのモンテレイに23:59に立ち寄ります。モンテレイを516日の01:30に発ち、13時間50分飛行の後、成田に517日の朝06:20に到着する予定です。機体はボーイング787-9です。

 日にちだけ見ると、3日間飛行機に乗っていることになります。

 

P1030466 P1030469b

 

 私の座席は35Aで、これは予約どおりです(写真下)。珍しいことに離陸前に水が配られました(写真下右、21:43)。モンテレイまでの飛行時間が短いので、ジュースなどの飲み物を配膳すると時間がかかるからでしょう。こちらもこのほうが楽でよい。

 

 P1030467

 

 予定外のメキシコ滞在で、内容はスカスカ旅行でも、カフェでのんびりしたひと時がすごせたので、眼下に夜景が広がるメキシコシティの印象は良い(写真下)

 

DSC_3223 DSC_3227b

 

 予定より少し遅れてモンテレイに到着(5160:08、写真下)。最初、この飛行機は成田まで直行便でしたが、急にモンテレイ経由になったため、メキシコシティで一泊することになりました。

 

DSC_3241-1 DSC_3245b-1

 

 真夜中ですので、私は半分眠っていて、飛行機がモンテレイを離陸してから出発に気が付きました(5162:00、写真下)。出発は少し遅れたようです。モンテレイの夜景を何とか一枚だけ撮って、私はすぐに眠ってしまいました。しかし、一時間後にはたたき起こされました。

 

DSC_3257b-1

 

 

 

表紙 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9  1011