トップページ 日程表 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ペルシャ北部の初夏の花 3日目 2019年5月17日(金) ラシュト → ハルハル 朝、五時半頃に目が覚め、六時頃に起きました。八時に出発なので、散歩は無しです。
今日はラシュトを出て、カスピ海沿いの街バンダレ・アンザリーで魚市場に寄り、海辺の散歩を楽しんだ後、再びアルボルス山脈に入り、花を観察しながら、ハルハルに行きます。 七時からホテルのレストランで朝食です(写真下)。
予定どおり、八時にホテルを出発しました。ラシュトの街中は地方都市らしい、のんびりした雰囲気です。
写真下左ではおじさんが花を売っています。観葉植物のサンセベリア、アマリリス、荷台にはシャコバサボテンが乗っています。
道のロータリーなどにはたいていモニュメントがあります(写真下)。写真下下段の壺から出ているのは緑色の蛇ではなく、水です。
目につくのが道の両側の看板で、イラン・イラク戦争(1980~1989年)の戦死者の遺影です。去年の旅行でも頻繁に目にしました。日本語ガイドのモハンマドさんもこの戦争に参加したと今回の旅行で聞きました。彼が瓶の栓をスプーンで簡単に開けてしまうのを見て、何かサバイバル訓練でも受けたことがあるのかと思っていたが、兵隊として戦争を経験としていると聞いて、合点しました。
写真下は宗教指導者のハメネイ(ハーメネイー)師とホメイニ(ホメイニー)師で、幸いこういう看板はあまり見かけない。
写真下左は大量のスイカ(ヘンダワネ)を売っていて、写真下右のような巨大なスイカもあります(笑)。
写真下は、車の屋根の上に山のように積み上げたニンニクです。まさか、この状態で運んで来た?!道端でこれだけの量が売れるのでしょう。イランではニンニクは大量に消費されているらしい。ニンニク入りのヨーグルトも食べました。 カスピ海の魚市場 カスピ海に面したバンダレ・アンザリー(Bandar-e Anzali)という人口10万人ほどの港町にやってきました。
街の川のそばにある市場に行きました(9:08)。市場と言っても建物の中に店があるのではなく、道路の両側に露店が並んでいて、魚は台の上ばかりか、道の上まで並べられています(写真下)。
この街が面したカスピ海には78種類の魚がいるそうです。写真下右では大きな頭部が地面に置いてあり、私は昔食べたマグロの兜焼きを連想しました。マグロの頭部を蒸し焼きにしたもので、目玉とその周囲は絶品でした。きっとこの魚も目玉とその周囲はうまいに違いない。
それなりに人のにぎわいがあるのに、圧倒的に男性ばかりで、女性は売り手に少しいる程度です。海外では、こういう市場にはたいてい押しの強いオバサンが客を捕まえてやろうと睨みをきかせているはずなのに、ここにはいない。
おじさんたちは陽気というか、にぎやかです(笑)。
売り手も買い手も大半が男性だということは、家計の主導権を男性が持っているのでしょう。これは日本同様、経済にとってあまり良いことではありません。財布のひもの男女平等こそが、経済を歪みなく発展させる基本で、日本はひどく歪んでいる。妻への扶養控除など男女差別の典型で、これがあるから主婦は働くのを控えてしまい、経済発展の足かせになっているのに、批判する識者さえもいないのが不思議です。
写真下は「ドヤ、オレの娘は可愛いだろう」とお父さんが言っているのはペルシャ語がわからなくてもわかる(笑)。 川に沿った道で魚が売られ、そこから北側に野菜や果物を売っている店が並んでいます(写真下)。
ネットを見ると、ここはOld Saturday Marketという表示が出てきて、土曜日に立つ市だとあります。しかし、今日は金曜日です。冷蔵設備もないのに魚を売るのに週に一回というのは奇妙ですから、前は土曜日に開いていたから名前だけが残ったか、あるいは今はラマダンで、食料が良く売れる時期だから、開いているのかもしれません。この国では金曜日と土曜日が休日です。
写真下左はニンニクで、右は漬物らしい。
ニワトリがつながれて売られています(写真下)。スーパーでパック詰めの鶏肉が売られているのと違い、生き物を殺して食べているのだという現実を突きつけられます。
魚がたくさんあるから、太ったネコがウジャウジャいるのではないかと予想したが、見かけたのは写真下のたった一匹。しかも、このネコは毛並みもあまり良くない。イスラム教の教祖であるムハンマドが猫好きだったこともあり、イスラム社会ではネコは大事にされます。ただ、研究者によれば、イランではネコは排除も可愛がられることもないとあります(『イランを知るための65章』岡田 他、明石書店、2004年)。
カスピ海の浜辺 カスピ海に面したSefid Kenar Grand Hotelに立ち寄り、トイレ休憩です(写真下)。
海岸には観光客らしい人たちが少しいます(写真下)。
カスピ海は面積が日本の国土の総面積とほぼ同じだというから、すごい。海水よりも濃度が三分の一程度の塩湖で、海抜はマイナス28mですから、この湖から流れ出る川はありません。つまり、ただ蒸発しているだけです。
海岸近くやホテルの敷地に花が咲いています。写真下はここでしか見られなかったケシです。名前はわからないというが、私にはただのナガミヒナゲシに見える(笑)。
ホテルの芝生に薄紫の花がたくさん生えています。ハマウツボの仲間らしいが、これも名前は不明。
イランの田植え 郊外に出ると、目につくのが田んぼです (写真下)。昨日もそうだったように、日本と同じような田園風景をまさかイランで見られるとは思いませんでした。
田植えをしているところもあり、見た範囲では、機械はなく、手作業のようです(写真下)。私も手で田植えをしたことがあるからわかるが、とても大変です。
イランの農業は機械化が遅れていて、写真上右の代かきにトラクターが使われていた程度でした。ただ、機械化がかならずしも良いとは限らず、ここにいる人たちの多くは雇われて田植えをしているようです。機械化すれば彼らの仕事がなくなってしまう。
田んぼの近くに生えていたのがキショウブです(写真下)。
写真上下:Iris
pseudocorus 日本にもすっかり定着して、私の畑にもある。ショウブだから、水辺に生えています。西アジアからヨーロッパが原産で、私が前に野生で見たのはブルガリアでした。
スイカズラが咲いていて、日本で見かけるのと姿形は同じですから、たぶん園芸種です(写真下)。
道端に生垣のようにキイチゴの仲間の花が咲いています(写真下)。植えたのではなく、自然に生えている。この花の多さから、キイチゴの実がなった時のことを考えてワクワクします(笑)。
写真上 Rubus creticus 写真上はピンク、写真下は白で、たぶん同じ種類です。
道端で良くみかけるのが赤いバラで、花の雰囲気からは同じ種類のバラに見えます(写真下)。。
あまり手入れをした様子はなく、勝手にのびている。たくさん見かけるということはかなり丈夫で、ここの気候が合っているのでしょう。
アルボルス山脈に戻る カスピ海沿岸を走っていたのが、左に曲がり、道は山の中に入って行きます。アルボルス山脈に入りました。それでもしばらくは田んぼが見られます。写真下を日本の山間風景だと言われても、誰も疑わないでしょう。
道が山の中に入ると田んぼも消えて、谷に沿って登って行きます。
道沿いにはまだ小さな集落があり、観光客目当ての店が点在しています(写真上下)。
谷に沿った道を離れ、人家のない山道になり、高度を上げて行きます。周囲はうっそうとしたブナの森で、ここに十分な雨が降るのがわかります(写真下)。
写真上下 Fagus orientalis ノルジーさんが沢沿いの山道を登って行きました(写真下左)。果報は寝て待てで、待っていると、目的の花は探せなかったらしく、間もなく戻ってきました(写真下右)。
林の下にはいくつか花が咲いています。写真下はアカネの仲間です。
写真上 Galium odoratum 写真下のマメの仲間は、開花した黄色と開花前の茶色の組み合わせがなかなか良い。
写真上 Vicia crocea アマドコロが、日本と同じように樹木の下に生えています(写真下)。一本しか見当たりませんでした。 写真上 Polygonatum orientale 写真下はまるで黄色いマントを着た怪人みたいです。トルコやコーカサスにもあります。学名のelephasはゾウの鼻を連想するからでしょう。 写真上下 Rhynchocorys elephas
かなり大きなトウダイグサの仲間が生えています(写真下)。欧州、トルコ、コーカサスなどに分布し、森の木陰でも育つ植物です。
写真上 Euphorbia amygdaloides 昼食は羊 道は森を抜けて、樹木がまばらになり、視界が効くようになりました。このあたりで標高は1600mを越えています。
山腹にあるAsbe-Vuny Villageで昼食です(写真下)。
下の衛星写真のように、ここは道路沿いにレスランが何軒か並んでいて、私たちが入ったのは、Taleshan restaurantです。 その店先では、これから食べるヒツジの解体が行なわれています。空気を入れて(写真下左)、皮をはがし(写真下右)、これを吊るして、斧でぶつ切りにする。残った毛皮は何に使うのだろう。
軒を連ねている何軒かのレストランの店先でも同じようにヒツジの解体が行なわれています。
解体した肉を吊るし切りにして、串に刺して焼く。
同じようなヒツジを料理して出す店が道に沿って並んでいます。
ヒツジの解体を見た後で、レストランの二階でそれを食べます(写真下)。私以外のお客さんは解体をていねいには見ていません。レストランは、ラマダンの時期ですから、空いています。
解体をもろに写真に撮り、しかも旅行記に載せるなど、趣味が悪いと思われたかもしれません。ただ、私は、子供を含めて、自分が何を食べているのかを良く見るべきだと思っています。食べ物が他の生き物の命を犠牲しているのだという現実を見れば、大食いや早食いなどという愚行はできなくなります。
紅茶の中に乾燥させた果物を入れてみました(写真下右)。
高山の花たち 食事を終えて出発する頃には、霧が出ていました(写真下)。高山ですから、天気は変わりやすい。
岩場の間にシソの仲間が咲いています。
写真上下 Nepeta
racemosa
トルコ、コーカサス、そしてイラン北西部に自生します。この植物はネコに対してマタタビのような陶酔効果があり、しかも、ゴキブリや蚊に対する防虫効果もあるようです。
同じ斜面に黄色いセネシオの仲間が生えています(写真下)。こちらは欧州などでも一般的な植物です。
写真上 Senecio
vernalis ガレ場の中にスミレが咲いています (写真下)。ニオイスミレの仲間で、西アジアから欧州、北アフリカなどかなり広い範囲に分布します。 写真上 Viola
odorata,
写真を撮ろうと歩いただけでも細かい砂利が崩れてしまいます。 ニオイスミレという名前どおり、香りのあるスミレで古くから香料として利用されてきました。しかし、種や根には毒性があるようです。
高山植物らしいワスレナグサの仲間です(写真下)。水色がなんとも言えない。 写真上下 Myosotis
asiatica
ネットで検索するとこの花の英語名がalpine forget-me- not、Siberian Forget-Me-Not、Asian Forget-Me-Notと複数あります。しかも、欧州から西アジア、西ヒマラヤだけでなく、北米にも分布していることになっている。忘れてほしくないので、あちこちに残ったのでしょうか(笑)。 写真下は和名がニワハタザオです。ネットでは欧州の南東や地中海が分布という記述が多いが、実際は地中海、クリミア、トルコ、イラン、コーカサスに分布するようです。特に高山地帯に生えるという花ではありません。 写真上 Arabis
caucasica 写真下はキジムシロの仲間です。
写真上 Potentilla
repens 写真下は花弁の先端に切れ込みがないだけで、上と同じかと思ったら、まったく別種でキンポウゲ(Ranunculus)の仲間だそうです。 白いシャクヤク ノルジーさんはどんどん先に進みます(写真下左)。やがて遠くから呼ぶ声が聞こえました。何か花があるのだ。道と言っても、これは山道ではなく、ヒツジなどが歩いた獣道です。
案内された斜面の、背の高い樹木の下に白いシャクヤクが静かに咲いていました(写真下)。
写真上 Paeonia
daurica subsp. wittmanniana
開き加減もちょうど良い時期に来たようです。これだけの樹木があると、あまり陽が射さないだろうに、こんな半日陰が彼らの好みらしい。
私が野生のシャクヤクを見るのはブルガリアについで二度目です。ブルガリアのホソバシャクヤクは真っ赤で自己主張が強く、直射日光がじりじりと当たるような海岸に生えていました。ここは高い樹木の下なので陽ざしも弱く、花もまた白く清楚な雰囲気です。
皆さんは上のほうにさらにシャクヤクを探しに行ったらしい。へそ曲がりの私は下のほうに行きます(笑)。草が生い茂っていないので、歩くのにはそれほど難しくありません。ただ、斜面がきついので、一度下りたら、登りたくない。横に移動したつもりでも、いつの間にか下がっています。
他のお客さんもいなくなり、人声も聞こえなくなり、少し霧が漂う森の下で、白いシャクヤクをたった一人で見るのは素晴らしいというよりも、すごい。しかも、ここはイランの山の上なのだ。
皆さんを待たせるのはよくないが、花に来ている虫を見ながら、しばらくここにいたい気分です。
白いシャクヤクに感動しながら撮影を終えて戻る頃には霧がかなり出てきました(写真下)。
写真下のヒツジたちは白いから羊毛用で、食用ではないのでしょう(笑)。
斜面のお花畑 標高は2000mを越えていますから、天気は変わりやすい。
今度は樹木のない斜面を登ります。
斜面で最初に見つけたのがバイモです(写真下)。
写真上下 Fritillaria
kotschyana バイモはごらんのように地味な花が多い中で、昨年見た、インペリアリス(Fritillaria imperialis)はその常識を覆しました。大型で背丈もあり、色も形も派手です。しかし、バイモの多いイランでも、インペリアリスは例外のようで、ここのバイモのように他は軒並み地味で、これが普通です。同じ地域で、インペリアリスだけがどうしてあんなに変化したのか、興味深い。
黄色い花で目につくのは、先ほどもあったセネシオの仲間です(写真下)。
写真上 Senecio
vernalis
もう一つ目につくのが斜面一面に咲くアザミです(写真下)。
写真上下 Carduus
seminudus 90種類あるCarduusの仲間の内、イランには8種類あります(IRAN. J. BOT. 19 (2), 2013)。見た目には日本のアザミ(Cirsium)と似ているが、別らしい。
沢に沿って白と黄色いの花が咲いています(写真下)。水はかなりの量が勢いよく流れていて、音が心地よい。 その白と黄色の花は写真下です。
写真上 Cardamine
uliginosa
写真上 Barbarea
plantaginea どこに行ってもあるのがキバナノアマナで、トルコ、イラン、イラク、コーカサス、トルクメニスタンなどが原産地です(写真下)。 写真上 Gagea
confusa
写真下のコリダリスは主にイランに分布するとありますから、もしかしたら固有種かもしれません。 写真上 Corydalis
chionophila 写真下右のオーニソガラムはヨーロッパで一般的で、この種類はイランから北のコーカサスに分布しています。
写真上左 Ornithogalum
sintenisii 雪融けのお花畑 さらに登ると、雪が溶けて氷のようになっている残雪があります(写真下)。斜面は濡れていることもあり、なかなか登りにくい。雪で冷やされて霧が発生しています。
霧が立ち上る斜面に白い花が一面に生えています(写真下)。
写真上下 Puschkinia scilloides この花はバンザーイと手を挙げているようにみえます。イラン以外では、トルコ、レバノン、シリア、イラク、コーカサスの北部に分布します。
花を良く見ると、白ではなく、真ん中に青い筋が入っているので、離れて見ると、花がちょっとだけ青味がかって見えます。
写真下の青い花は上の白い花と同じ斜面に咲いています。こちらのほうが少ない。
写真上下 Scilla
siberica subsp. caucasica この花は日本ではシベリアツルボ(Siberian squill)と呼ばれ、ヨーロッパから西アジア、コーカサスが原産地です。つまり、シベリアとは関係ない(笑)。
写真下の黄色い花はととても面白い。同じ株から、斑点のついた花とついていない花とが同時に生えています。コーカサス、イラン、トルコ、ロシアなどの標高1500~3000 mに分布します。 写真上下 Arnebia
pulchra
薄黄色のオキナグサの仲間です(写真下)。 写真上下 Pulsatilla
albana
コーカサス、トルコ、イランにかけて分布しています。そのせいかCaucasus Pasque Flower(コーカサスのオキナグサ)という英語名でネットで売られています。
ここでは黄色だけですが、白や紫もあり、標高1500~3000mのここのような石の多い斜面や草原などに生えています。
日本のオキナグサは赤から紫なので、最初見た時、オキナグサの仲間だとは気が付きませんでした。写真下の二枚は同じ花です。
写真下はヤグルマギク(Centaurea)の仲間で、日本のヤグルマギクのイメージとはだいぶん違う。昨年のイラン旅行でも、同じように地面に葉を広げた白花の仲間を見ました。
写真上下 Jurinea
moschus subsp. pinnatisecta
トルコからコーカサス、そしてイラン北西部に分布します。標高1800~3500 mの高山の厳しい環境に適用して背が低くなったのでしょう。ここのような陽当たりが良く、石が転がっているような斜面に生えます。
写真下の上段のように花が周囲から開き始め、やがて下段のように全体が開き、下段の右では花弁が落ち始めています。
一つだけ白花がある(写真下)。 写真下はオオイヌノフグリの仲間で、花の形は似ているが、立ち上がって生い茂っている点が日本のそれとは違います。南西ヨーロッパ、コーカサスから西アジアなどかなり広い地域に分布します。ところが、ブルガリアでは絶滅危惧種になっています。 写真上下 Veronica
multifida
写真下のマメの仲間の学名は、イランでは最近登録されたばかりらしく、しかも、その内容に疑問があるという(IRAN. J. BOT. 19 (1), 2013)。そういう小難しい話は学者にお任せしましょう(笑)。 写真上下 Oxytropis
lupinoides
高山らしく、天気は写真下のようで、変化が激しく、はっきりしない。 家族連れがいて、自然を楽しんでいます(写真下)。
しかし、中には写真下右のように、道でない斜面をバイクで駆け上がる愚か者もいます。あんなふうに地面を踏みつぶして自然破壊をすると、こういう厳しい環境では復元が難しくなる。
黄色いシャクヤク ノルジーさんが花を探して山を登り始めました(写真下左)。道などありませんから、急な斜面は手を借りて登り降りをします(写真下右)。
苦労して登った斜面にあったのは黄色いシャクヤクです(写真下)。今回のツアーの募集要項にもこの花の写真が使われるなど、目玉の一つになっていました。
写真上下 Paeonia
wendelboi
分布はここです。イラン北西部のこの地域のみに咲くシャクヤクですから、希少性が高い。
花弁は黄色いのがオシベで、赤いのがメシベらしい。花には虫が集まっていて、写真下右では甲虫類がゴチャゴチャと入り込んでいます。彼らも受粉に貢献しているのだろうか。
黄色いシャクヤクが咲いているのは、写真下のような斜面で、草と低い樹木が生えている程度で、おおよそ、シャクヤクが生えているイメージではありません。
先ほどの白いシャクヤクは樹木の下のどちらかというと湿気のある環境でしたが、ここは逆で、樹木はなく、むしろ乾燥している。
私は黄色いシャクヤクを見るのは、園芸種を含めてたぶん初めてで、大半の人がそうでしょう。シャクヤクといえば、赤、ピンク、白が普通で、黄色は珍しい。ツアーのカタログを見るまでは、野生で黄色があることも知りませんでした。
ここは環境が厳しいせいか、全体に背丈は低く、花は葉の間に埋もれるように咲いています。午前中に見た白いシャクヤクは、栽培品と同じように、茎が長くのびて花が葉の上に突き出ていました。
写真下も、たぶん一株ではなく、複数の株が集団を作っているのでしょう。高山地帯など厳しい環境では小さな花がコロニーをつくるのが良く見られます。上に出ている花はまとまっておらず、ドーム状の葉の上に距離をとって一様に分布するように咲いています。たぶん、受粉する機会を増やすための共同作戦です。
午前中のシャクヤクもそうなのだが、どうして品種改良などせずに、こういう自然のままのシャクヤクを売らないのでしょうか。ブルガリアで見たホソバシャクヤクなど、あのままが一番きれいです。
黄色いシャクヤクに夢中になっていましたが、周囲には他にもいろいろな花が咲いています。写真下のアリウムはイランでは球根が食用にされているという。西アジアの標高1,600〜3,000mの乾いた岩場に生えるというから、ここはまさにその条件です。
写真上 Allium
akaka 写真下のシソの仲間を検索すると、この植物から抽出した精油についての論文がずいぶん出てきます。元々、イランでは民間療法として、関節痛、痛風、腹痛などに用いていたようです。
写真上 Marrubium
astracanicum 写真下は最初見た時、スミレっぽくない姿なので、スミレとはわかりませんでした。しかも、数も少ない。
写真下も昨年のイランで見た花で、日本ではヒヨスと呼ばれるナスの仲間です。この花を見かけるのはいつも道のそばです。
写真上 Hyoscyamus
niger 写真下は、こんもりとして、まるでツツジのようなマメ科の花です。
写真上 Onobrychis
cornuta 写真下はトルコ、イラン、イランに分布する野生のチェリーの仲間のようで、実は食べられるとあります。
写真上 Prunus
brachypetala 写真下の白いマメの仲間を撮影したあたりで、今日の花の観察も終わりです。
昼食に食べた羊がいます(笑)。
陽がだいぶん斜めになり、標高2000mほどの高原を照らしています。
ハルハルに到着 今日の宿泊地であるハルハル(Khalkhal)の街に入ってきました(写真下)。
本日の宿であるKhalkhal Tourist Hotelに到着(19:20)。写真下のように、入口は一般の民家のような印象です。
ロビーは豪華さはないが広々として雰囲気は良い(写真下)。16室の客室はすべて二階にあります。
一階にレストランが二つもあります(写真下)。宿泊客の数から言って広すぎるから、宴会などに使われるのでしょう。
夕飯を食べに街中のSadeghzadeh Restaurantに行きました(20:47、写真下)。
ヨーグルトはニンニク入りで(写真下左)、私はいつものように1ドルのノンアルコールのビールです。
食事を終えて、すっかり暗くなった道をホテルまで戻ります(21:45)。街灯の模様が何種類かあっておもしろい(写真下右)。
写真下が私の部屋です。建物同様に豪華さはないが、特に問題もありません。テレビはなつかしいブラウン管です(写真下右)。エアコンはなく、温水式の暖房装置があります。
部屋はどうということはないのだが、驚いたのはトイレです。和式で、しかも洋式に変身できる優れものです(写真下右)。私はもちろん洋式には挑戦しませんでした(笑)。他の大半の部屋は洋式だったようです。
トイレは笑ってすませるとしても、ひどいのは写真下のゴミ箱です。部屋の中にタバコの臭いが漂っているので周囲を探すと、犯人はこのゴミ箱です。前の人のゴミがそのまま残っていて、タバコの吸い殻がありました。つまり、ゴミを捨てていない。 ゴミを捨てていなかったというのは大きい。しかし、このホテルは二つ星ホテルであり、シングルで20ドル程度で、3000円もしません。この料金なら、和式のトイレも、ゴミがそのままなのも、許容の範囲です。私のこの宿泊所のへの個人評価は少しおまけして、五段階評価の3.5とします。 |